著者
水野 勇 岩崎 洋平 金子 豊久 栗山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.1319-1328, 2004-06-01
参考文献数
19
被引用文献数
4

本研究は変形を伴う柔らかい3次元物体をモデル化し,様々な外力による変形操作を容易に行う手法を提案する.対象物として球・立方体などの仮想物体のほか,人間の顔頭部を取り上げる.柔らかい物体の表現法として,ばねネットワーク(ばねモデル)を用いる.CT画像をもとに,最密構造を初期配置としバブルメッシュ法を利用し頭部領域を四面体メッシュに分割し,均一なばね長をもつばねモデルを構築する.変形シミュレーションにおいては,ばね力と体積保持力を考慮した柔らかい物体の変形を表現する.手と顔表面などの柔らかい物体相互の接触による反力,または垂直抗力を算出し,それぞれの物理現象を表現する.球と立方体の接触による変形を確認した後,人間頭部モデルに対し,手モデルによる外力を加えるシミュレーションを行い,頭部モデルと手モデル両者ともに体積を保存しつつ変形を表現することができた.更に摩擦力を導入して,唇を押し上げる,引っ張るといった様々な変形操作の物理シミュレーションを行い,提案手法が有効であることを確認した.
著者
金子 豊二
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.238-243, 2015 (Released:2016-09-26)
参考文献数
6
著者
金子 豊 竹内 真也 南 浩樹 和泉 吉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.57-62, 2008-09-04

DHT (Distributed Hash Tables)を使った構造型P2P (Peer-to-Peer)は,中央集権的な管理機構が無いためスケーラビリティがあり,障害耐性,拡張性にも優れるため,大規模な分散ストレージシステムの構築に有効な技術である.筆者らは放送局における番組素材ファイルの分散ストレージシステムへの利用を想定し,OneHop拡張方式を提案している.本稿ではこのOneHop拡張方式の実装方法について述べ,さらに,1,000から10,000ノード規模の実験による本実装による提案方式の性能評価結果について述べる.実験の結果,提案方式はサイト間ネットワークのパケット量の削減効果があること,公開するキー数に応じてキーの割り当て数を制御可能なことを確認した.また,提案方式はネットワーク障害による通知メッセージの輻輳を起こさず,スケーラビリティの点で有利であることが分かった.
著者
藤本 公介 山下 実 金子 豊治 石川 元治
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.359-363, 2010 (Released:2010-06-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1

酸化劣化しやすいバイオディーゼル燃料(BDF)によるエンジン油性能への影響を把握するため、ポスト噴射で多量の燃料希釈を再現するエンジン試験を実施した。その結果、エンジン油の清浄剤消耗と、BDF由来の重合物の蓄積が加速され、エンジン油の耐デポジット性/耐スラッジ性が悪化することがわかった。
著者
塚本 勝巳 大竹 二雄 金子 豊二 井尻 成保 青山 潤
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

天然の生理生態情報を基に親魚の催熟・採卵技術と仔魚の飼育法を改善した。卵巣遺伝子の網羅的解析の結果、天然魚ではアンドロゲン受容体タイプA(ara)とアクアポリン-0および-3パラログ遺伝子が大量に発現していることを見出し、良質卵産生のための重要な指標を得た。仔魚の浸透圧調節能と栄養吸収機構の発達を調べたところ、イオン輸送体のNKCC2bとNCCbはふ化後2-3日目に消化管に発現し、水飲みの亢進と同期すること、ペプチド輸送体PEPT1は腸管上皮細胞の頂端部に局在することが分かり、飼育プロトコルが改善された。天然仔魚の体成分アミノ酸窒素同位対比分析から餌はマリンスノーと判明し、新規飼料を開発した。
著者
森 英彦 高野 裕 滝沢 悦貞 川添 豪 金子 豊 名村 栄次郎 Mori Hidehiko Takano Yutaka Takizawa Yoshisada Kawazoe Takeshi Kaneko Yutaka Namura Eijiro
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.1冊, 1995-02-28

本報告書は月・火星の無人の探査計画、すなわち月と火星のそれぞれについての観測、着陸/移動探査およびサンプル・リターンについての無人の探査計画の検討結果を報告した。この計画による2015年以後の月と火星の開発利用シナリオについての検討結果の概略は次の通りである。(1)有人月面拠点の建設:5人程度が14日間程度滞在するものとする、(2)軌道上システムの建設:宇宙ステーションの有人機能と軌道上サービスシステムで開発される無人サービス機能を結合して軌道上サービスセンターを構築する、(3)静止軌道プラットフォームの建設:在来型の静止軌道衛星をプラットフォーム化し、永続的に使用する、(4)輸送系の開発:貨物および有人の低高度地球周回軌道機(LEO貨物、LEO有人)と貨物および有人の軌道間輸送機(OTV貨物、OTV有人)の開発が必要である、(5)火星探査:軌道上サービスセンターを用いて火星サンプルリターン機を構築する。
著者
金子 豊
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.442, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
4

近年,がん細胞はprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)やCD47,MHC class I複合体の1つであるβ2マイクログロブリンなどの“don’t eat me”シグナルに関連する分子を細胞表面に発現することで,マクロファージ(Mφ)による貪食作用から回避する機構を保持していることが報告されている.これらの分子を標的としたがん免疫療法の開発が進められているが,十分な治療効果が得られない例もあり,更なる標的分子の発見が期待されている.CD24はGPIアンカー型タンパク質であり,様々ながん細胞において発現が認められており,特に治療困難な卵巣がんや乳がんで高い発現が報告されている.Siglec-10は腫瘍関連マクロファージ(TAM)に強く発現する細胞表面分子であり,CD24との相互作用により細胞骨格の再構成や炎症抑制に寄与することが報告されている.本稿では,がん細胞がCD24を介してMφのSiglec-10に結合することで,Mφによる貪食作用から回避していることを明らかにしたBarkalらの報告を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) DeNardo D. G. et al., Nat. Rev. Immunol., 6, 369-382(2019).2) Lee J. H. et al., Oncol. Rep., 22, 1149-1156(2009).3) Crocker P. et al., Nat. Rev. Immunol., 7, 255-266(2007).4) Barkal A. A. et al., Nature, 572, 392-396(2019).
著者
金子 豊
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1717-1721,016, 2001

日本製紙岩国工場は, 1937年にパルプの生産から始まり, 平成9年のオンマシンコーターである9マシンの完成により, 現在, 上質紙, 上質コート紙を主体に65万トン/年の生産があり, この内コート紙は70%を占めている。<BR>工場にはコート紙製造設備として, 4, 5コーター, 9マシンの他に感熱原紙, 感圧紙抄造の3マシン, 1,2キャストコーターがある。<BR>上質コート紙を抄造する先の3台のコーターでは, その操業性改善の為岩国工場独自で取り組んできた設備が設置, 稼動している。<BR>(1) 操業中も使用可能な, パッキングロール自動サンディング装置<BR>(2) カラー排水処理専用のサイクルヒット設備<BR>(3) オフマシンコーターのスプライステープ検出装置等, コーター及び工場の操業安定に貢献している。
著者
三谷 茂 中嶋 唯夫 宗田 太郎 柳下 晃 畑山 道子 高柳 和雄 足立 康弘 金子 豊 関本 英也 檀上 忠行
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, 1964-06

1. 日本赤十字社産院における昭和11年より昭和36年6月に至る満25年間における帝王切開実施1238例について, これを戦前, 戦時, 戦後及び最近期に分類して, 母, 児の予後に対する検討を行い, その変遷を追求した. 2. 母体死亡率は昭和11~16年9.52%から最近期1.47%と低下した. 3. 児の周産期死亡率も戦前30.95%から6.81%と低下したが, 尚高率である. 4. 術式の上から母, 児の予後を見ると, 腟式は戦後行われていないが, この際には児の死亡率が高いのみならず母体死亡率も高く, Porro氏手術でも同様のことがいえる. 5. 帝王切開時の出血量は子宮収縮剤の使用の有無に拘らず, 25年間著しい変化を見ず, 601CC以上の症例が20%にも見られ, その対策を考慮する必要がある. 6. 母体の術後合併症中37.5℃以上の発熱を40%にも見る. 又最近耐性菌による感染が認められた. 7. 術創不全は非破水群では少い, 但し破水後経過時間との間に有意の差を見ない. 8. 適応の上から予後を見ると, 母体死亡率は減少しても尚今日晩期妊娠中毒症, 心, 肺疾患, 出血に留意する必要がある. 9. 常位胎盤早期剥離群では今日尚50%の児死亡を認め, 子宮破裂, 前置胎盤群での予後も悪い. 又児側適応による帝王切開術が最近屡々行なわれるが, 児の死亡率は高率で, 17.14%であり, この点に十分留意すべきである. 10. 非破水群の児の予後は最近0.99%の低死亡率で極めて良好であるが, 破水群では低下したといえ尚高率である. しかし破水後の経過時間の長短との関連はない. 11. 体重別に児の予後をみたが2000g以下の朱熟児では依然として70%余と予後の改善を見ないし, 未熟児では予後が依然として不良であるが, 2501~3500gの生下時体重群の死亡率は好転している.
著者
星野 宏和 此上 一也 金子 豊 佐々木 雅範
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.248-251, 2017 (Released:2018-11-01)
参考文献数
1

SLATS is the first test satellite of JAXA to demonstrate operations at “super low orbit”below 400 km altitude, almost never used for long-life remote sensing. Lower altitudes will bring benefits for Earth observation such as higher resolution optical imaging and higher Signal/Noise ratio of Synthetic Aperture Radar. Small and High Resolution Optical Sensor (SHIROP) is a panchromatic camera to achieve under 1 meter resolution from super low altitudes. Pointing accuracy and image quality, which are influenced by atmospheric drag, ion engine and Time Delay Integration (TDI), are going to be evaluated. Techniques acquired by SLATS are planned to be used for future regional observation.
著者
金子 豊二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1.ティラピアの消化管でK+とNa+が主にどの部位でどの程度吸収されるのかを検討するため、消化管を複数の部位に分け、経時的に内容物を採取し、K+とNa+の濃度を測定した。その結果、胃から腸の前半部にかけてK+濃度が大きく減少した。また、時間経過に伴って胃内のK+濃度が徐々に低下した。このことから、餌料として口から摂取されたK+はまず胃に滞留している間にその多くが吸収され、腸の後半へ移行するにつれてさらに吸収が進むことが示唆された。2.消化管内のK+輸送に関わると考えられる輸送分子について、定量PCRによって組織別発現解析を行った。その結果、胃においてK+の吸収を担うとされるHKAおよびHKAと共役するカリウムチャネルKCNQ1が胃に特異的に発現していることが示された。一方、腸においてはK+、Na+、Cl-を輸送するNKCC2およびNa+とCl-を輸送するNCCbが特異的に発現していた。従って、胃においてはHKAとKCNQ1が、腸においてはNKCC2 とNCCbが、K+輸送に寄与すると考えられた。次に、これらの輸送分子に対する絶食の影響を検討した結果、胃における発現が確認されたHKAおよびKCNQ1の発現が、絶食条件下において低下する傾向が見られた。それに対し、腸において発現が確認されたNKCC2およびNCCbの発現は絶食条件において変化はみられなかった。3.ティラピアの胃を用いてサックを作製し、実際にイオンがどの程度輸送されているのかについて検討した。胃のサック実験は、採取した胃に調製した内液を入れたものを糸で吊るして培養液 (L-15) に浸し、1時間インキュベートした。その結果、内液のK+濃度の低下がみられた。さらに内液のpHの低下も認められたことから、胃内腔のK+と胃腺細胞内のH+が交換的に輸送されることが示唆された。
著者
金子 豊治 山下 実 大堀 正衛 村上 元一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.837-841, 2009 (Released:2010-07-26)
参考文献数
1
被引用文献数
1

Euro5によるPM規制及び欧州CO2 140g/kmに対応するため、世界に類を見ない低S.Ash(硫酸灰分)で低燃費なディーゼルエンジンオイルDL-1/C2 0W-30を開発した。高信頼性、低S.Ash、低燃費を高次元で実現し、排ガス後処理装置のDPFに対応しながら、B1 5W-30と比較して車両燃費向上率で2%、CO2削減で3g/kmを達成した。
著者
宮崎 仁 栗山 繁 金子 豊久
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.163-164, 1999-09-28
被引用文献数
1
著者
水野 友晶 金子 豊久 栗山 繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.43-48, 2005-02-07
被引用文献数
1

人物の頭髪に関するCGは数多く研究されている.頭髪の形状や毛髪の流れ等をデザイナが各種パラメータを制御することにより生成するものが多い.本研究では複数の角度から撮影した人物の頭部写真画像とハンドヘルドスキャナにより取得した頭髪の形状データを使用して,内部を含めて実物に近い頭髪の形状・流れを自動生成する方法を提案する.提案方法によりマネキンの頭部を用いて女性の髪の毛の生成を行った.実物に類似した結果が得られ,本方法の有効性を確認した.The topic of human hair modeling has been investigated in the CG community. Majorities are such that hair is made with adjusting some parameters manually set by a designer who sees the hair style of interest. This paper aims at reconstructing a 3D hair model based upon five high resolution photographs (top, front, sides, back), where hair is modeled piece by piece and distributed inside the measured hair region. This method was applied to mannequin hair. A good result was obtained.
著者
田中 厚子 広田 光一 金子 豊久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.2978-2987, 1999-07-15
被引用文献数
9

本研究では 仮想物体の切断操作における反力を実時間で表現するための計算方法について提案する.計算の中では切断操作にともない物体が微小に変形することが仮定され したがって 操作者が持つ刃物の実際の刃先位置に加えて 物体の変形が解除されたときにこれが物体の上でどこに相当するかという非変形時の刃先位置が定義される.両者の相対変位とその点における変形の柔らかさとから 刃先より物体に作用する力を近似的に求め これに基づいて刃先を移動することで切断の進行を表現する.この中では 刃先に作用する力として粘性抵抗 摩擦力 切断抵抗の3種類についてモデル化を行い これらを操作反力として操作者にフィードバックする.刃先を離散点に分割することで分布力を求める.また 変形の柔らかさを定数または計算の容易な関数として与えることで 実時間での力の表現を可能とする.これを仮想空間に実装することで 切りやすさの異なる物体の表現が可能であることを確認した.また この環境を利用した作業実験を行い 切断操作における力覚情報の提示が作業効率に寄与する1つの例を示した.さらに 変形が大きい場合の処理として 非変形時の刃先と実際の刃先を一致するように物体を視覚的に変形する方法を提案し 切断中の変形表現を実現した.In this paper, a method of calculating force during cutting operation is discussed. To calculate the distribution of force on the cutting edge, we defined the cutting edge as a set of discrete points that represent the infinitesimal part of the cutting edge. We proposed a method of representing forces caused by viscosity, friction, and cutting resistance based on this discrete-edge model. We developed a virtual environment with force feedback and implemented the proposed method in the environment. As an example of cutting tasks where the sensation of force is effectively used, we simulated a 'core extracting' operation and confirmed that the task is more efficiently performed with force sensation.
著者
願 力栩 田中 直樹 金子 豊久 Haralick R. M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2696-2704, 1997-10-25
被引用文献数
30

文字は主に細長い線分で構成されることから, 画像中に存在する文字領域は「細長い領域」を検出することにより抽出が可能と考えられる. 本論文では, まず数学モルフォロジーを用いて濃淡画像における領域の幅(文字線幅)を得る方式について述べ, 更にそれに基づく文字領域抽出方式について述べる. 本方式は, 多様な背景部をもつ画像に適用可能であり, 背景部と文字領域が複雑に入り組むような場合にも単純な画像の場合と全く同等に処理できる. 雑誌の表紙画像を実験対象として文字列抽出実験を行った結果, 白黒濃淡画像に対して81%, カラー画像では95%の抽出結果を得ることができた. また, 解像度の関係で, 今回用いた最小の構造化要素と同等の文字サイズしかもたない小さな文字を除くと, それぞれ92%, 100%の抽出結果を得ることができた.
著者
齊藤 剛史 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1419-1429, 2001-07-01
被引用文献数
20

本論文では野草の自動認識法について提案する. 一つの野草について真上かそれに近い斜め上の角度から撮影した花画像と葉画像の2枚を1セットとして用いる. クラスタリング法を用いて各画像から対象物(花, 葉)を抽出し, 花画像から10個, 葉画像から11個の特徴量を求め区分的線形識別関数により認識を行う. 我々は春から初夏にかけて大学キャンパス付近に生育する34種各20セットの野草を収集し実験を行った. 実験結果ではすべての特徴量(21)を用いた場合96.0%の認識率を得た. 次に認識において特に有効な特徴量を選び出す実験を行い, その結果花画像から6個, 葉画像から2個の特徴量が有効であることを示し, 96.8%の認識率を得ることができた.