著者
中田 美紀 杉山 信男 Tanachai PANKASEMSUK
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.140-146, 2005-06-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
16

北部タイにおいて, 塩素酸カリウム (KClO3) の施用がリュウガンの開花を促進し収量を増大しているのか, どうかを明らかにするため, チェンマイ県のSarapeeとChaiprakarnにおいて, リュウガン生産者を対象に聞き取り調査を行った.チェンマイ県中部のSarapeeでは, 塩素酸カリウムの施用によって着花枝率 (全新梢に占める花序の割合) が上昇し, 収量が増加したが, 果実が小さくなり果皮が薄くなったために価格が低下し, 果実売上高は増加していなかった.県北部Chaiprakarnでは, 12月の施用によって時季外れの出荷が可能になり, 販売価格が上昇したため, 果実売上高が増加した.リュウガン栽培における塩素酸カリウム施用の有効性は, 気象条件によって異なることが示唆された.