著者
吉田 友敬 中西 智子 Tomoyoshi Yoshida Satoko Nakanishi 名古屋大学大学院人間情報学研究科 三重大学教育学部 Graduate School of Human Informations Nagoya University School of Education Mie University
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-50, 1996-11-01

音楽において, リズムのゆらぎは, 音楽の流れに乗ることや, 音楽的感動にとって大切な要素である。このゆらぎの本質的な要因は何であるか。特にゆらぎのスペクトル解析に関しては, 武者等の研究がある。その中で, メトロノーム等に合わせることなく, 自由に拍打ちをする, フリータッピングにおいて, 1/fゆらぎが見出されている。本研究では, この方向を発展させて, 実際の楽曲に合わせて拍打ちをする実験を行った。その結果, 新たに1/fゆらぎが見出され, 人間的なリズムのゆらぎが私たちの感性に対して重要な意味を担っていることが推測される。また, いくつかの例において, リズムのゆらぎと引き込み同調の関連が示唆される。