著者
武田 昌一 桐生 昭吾 山本 誠一 吉田 友敬
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

人間の感性メカニズムを解明する研究の一環として、音楽や音声を聴くだけではなく音楽に合わせて手を叩く、百人一首かるた競技時に読手の発声を聞いてかるたを取るなど、能動的動作が伴うときの脳の情報処理に関するいくつかの新しい知見を脳血流や脳波計測、聴取実験などの方法により取得した。更に、感性に関する応用研究の一環として、感情の強さまで自由自在に表現できる日本語感情音声合成方式を初めて実現した。
著者
吉田 友敬 中西 智子 Tomoyoshi Yoshida Satoko Nakanishi 名古屋大学大学院人間情報学研究科 三重大学教育学部 Graduate School of Human Informations Nagoya University School of Education Mie University
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-50, 1996-11-01

音楽において, リズムのゆらぎは, 音楽の流れに乗ることや, 音楽的感動にとって大切な要素である。このゆらぎの本質的な要因は何であるか。特にゆらぎのスペクトル解析に関しては, 武者等の研究がある。その中で, メトロノーム等に合わせることなく, 自由に拍打ちをする, フリータッピングにおいて, 1/fゆらぎが見出されている。本研究では, この方向を発展させて, 実際の楽曲に合わせて拍打ちをする実験を行った。その結果, 新たに1/fゆらぎが見出され, 人間的なリズムのゆらぎが私たちの感性に対して重要な意味を担っていることが推測される。また, いくつかの例において, リズムのゆらぎと引き込み同調の関連が示唆される。
著者
吉田 友敬 武田 昌一
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.113-119, 2012

本論文では,音楽と音声言語におけるリズム的特徴の普遍性について検討する.音楽のリズムに関しては,特にグレゴリオ聖歌についての議論に注目した.グレゴリオ聖歌は後世の西洋音楽に大きな影響を与えているものである.一方,言語におけるリズムについては,音韻論の立場から検討を加える."foot",あるいは "Ictus"という概念を音楽と音声リズムの共通性を論じる上で中心的概念として導入する.その後,これらの音響的特徴について,試行的検討を行った.