- 著者
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小川 宣子
オガワ ノリコ
Ogawa Noriko
山田 和
ヤマダ ヤスシ
Yamada Yasushi
山中 なつみ
ヤマナカ ナツミ
Yamanaka Natsumi
- 出版者
- 中部大学生物機能開発研究所
- 雑誌
- 生物機能開発研究所紀要 (ISSN:13464205)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.75-84, 2013-03
鶏卵の摂取が血中コレステロール濃度に及ぼす影響について,摂取方法をふまえて評価することを目的とし,鶏種の違いと熱変性が卵白の血中コレステロール上昇抑制作用に及ぼす影響を調べた.白色レグホーン,岐阜地鶏,奥美濃古地鶏の卵白を高コレステロール食とともにラットに10日間摂取させた結果,血中LDL-コレステロール濃度は各々49,72,61 mg/100ml となった.比較としてカゼインを摂取させたラットの106 mg/100ml に比べて有意に低く,いずれの鶏種の卵白も血中コレステロール濃度の上昇を抑制し,これら3鶏種においてはその作用に差はないことが示された.白色レグホーン種の卵を殻付きのまま85℃まで加熱したゆで卵の卵白と生卵白について同様に比較した結果,熱変性した卵白も生卵白と同様に血中コレステロール濃度の上昇を抑制した.さらに,全卵として摂取した場合の卵白と卵黄の相互作用を検討したところ,卵白の摂取は肝臓におけるコレステロールの分解を促進すること,卵黄の摂取はコレステロールの吸収を抑制することが示唆された.しかし,全卵として卵白と卵黄をともに摂取させたラットでは,コレステロールの吸収抑制は認められたが,コレステロールの分解促進は認められなかった.