著者
南 学 MINAMI Manabu
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = BULLETIN OF THE FACULTY OF EDUCATION MIE UNIVERSITY. Natural Science,Humanities,Social Science,Education,Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.221-227, 2018-01-04

本研究では、現代の若者がもつ幸福観と価値観との関連から現代の「幸せな若者」像(古市,2013)について明らかにすることを目的として検討を行った。結果は、幸福観によって若者を3 群に分けたところ、「現状満足群」のほうが従来の友人関係を維持することを求めることが示されたが、地元志向に関しては有意な差は見られなかった。また「現状満足群」よりもすべてのことを追求する若者像である「全追求群」のほうが、「主観的幸福感」が高く、友人関係においても「表面的友人関係」、「内面的友人関係」に関しては「全追求群」のほうが高かったことが見出された。これらの結果から、古市(2011;2013)が指摘する「幸せな若者」像はすべての若者にあてはまるものではないこと、その「幸せな若者」群の幸福感がとくに高いわけではないことが見出され、古市(2011;2013)が提唱した若者の価値観の傾向と幸福感を結びつけた「幸せな若者」論は実証性に欠けることがあらためて示唆された。

言及状況

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実証している論文があった。 主観的幸福度とコンサマトリー化を反映した変数「くつろぎ欲求」「喜び欲求」の相関は無関係。「コンサマトリー化と幸福度」を結びつける古市理論に反する結果。 南学「現代の若者の価値観と友人関係」(2018) https://t.co/Exo9sQNWHj https://t.co/APv3Lsccpi

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