- 著者
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豊田 弘司
- 出版者
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
- 雑誌
- 教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, pp.7-10, 2010-03-31
本研究は、豊田(2008)と同じ質問紙を用い、小学1年生から中学2年生までの4,139名を対象にして、基本的生活習慣,社会的生活習慣,学習習慣及び情動知能という4つの要因間の関連性、およびこれらの要因に含まれる学習活動が学業成績に及ぼす影響を発達的に検討した。相関分析からは、学習習慣、社会的生活習慣および情動知能の間に関連性の強いことが示され、これらに共通する要因としての学習意欲の可能性が議論された。また、個々の学習活動と学業成績の相関分析では、理解への意欲がほとんどの学年において学業成績への影響が強いこと、および宿題の習慣が、どの学年においても一貫して学業成績を規定することが指摘された。この結果から、今後の課題として、理解への意欲を規定する動機づけ(内発的動機づけ、達成動機づけ)、及び宿題以外の学習機会を確保するための方法の検討が示唆された。