著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-55,

東日本大震災以前から市民に提供されていた石巻市ハザーマップでは,新北上川沿いの沖積平野に河口から3.5kmもの津波遡上が予測され,明示されていた。同震災で最大級の被災の現場となった大川小学校は,浸水域予測範囲のわずか0.5km上流に立地していた。地震津波発生のしくみの多様性,潮の干満などを考えれば,高低差のない平野部での0.5kmは「誤差の範囲」といってよい。ハザードマップには,体感する震度に比して巨大津波をもたらす津波地震への注意書きもあった。つまり,公的にマグニチュード8を想定した宮城県沖地震(連動型)においても,大川小学校の津波による浸水は予見の範囲外にあったとはいえないのである。避難訓練やマニュアルの整備の重要性が強調されているが,現実の災害は想定どおりとはならない。想定から想定外が予見できる大川小学校被災の事例などから,地球惑星科学の知見があってもいかされない自然災害の人災的側面に関する教訓を導き出す。

言及状況

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地球惑星科学における批判的思考力の「抑制」 https://t.co/CUvtmiJ4p3 防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災 https://t.co/d7aSdKnOaH でも報告しましたが,だからこそ,行政トップが法的責任を引き受けないとならないですよ。 https://t.co/UFqn68hSSc
【リポジトリToRepo】2016年10月の閲覧回数1位は林 衛「防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災」日本地球惑星科学連合2016年大会2016年5月25日開催のプレゼン資料 https://t.co/VRum1qtWZk です。
仙台地裁の判決は「オレ様の手柄」と言わんばかりやな。→ 「私も現地調査を重ね,ほかの小学校での避難行動や裏山登り比べなどしました。 https://t.co/PvmKpFKyGs (略)優れた先生がいても,それがいかされないような教育行政の失敗面が大きいとわかりました。」
私も現地調査を重ね,ほかの小学校での避難行動や裏山登り比べなどしました。 https://t.co/lLPKSKfzIM 防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災 がそのまとめのひとつです。優れた先生がいても,それがいかされないような教育行政の失敗面が大きいとわかりました。 https://t.co/9UvAeO6fpd
このお方ではムリでわ?→ 「大川小民事訴訟関係者,支援者のみなさま,ほんとうにお疲れさまでした。教訓が深まる大きな一歩。私もできる範囲で今後も語り継いでまいります。 防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災 https://t.co/PvmKpG29y0」
ですよね。道なき道を児童が登ったという相川小,雄勝小の裏山も登り比べました。国立立山青少年自然の家のトントンの森の夏冬も。 遠足や体育の授業と比べ,大川小裏山にとくに危険があるわけでないとわかりました。 https://t.co/lLPKSKfzIM @yasuoya0
大川小民事訴訟関係者,支援者のみなさま,ほんとうにお疲れさまでした。教訓が深まる大きな一歩。私もできる範囲で今後も語り継いでまいります。 防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災 https://t.co/lLPKSKfzIM
仙台地裁傍聴した際,校長の証言聞きました。何事も隠さず偽らずとの宣誓が効いたのか,検証委が隠してしまったらしい,以前の証言内容が改めて。https://t.co/lLPKSKfzIM @SatoshiMasutani 校長先生と助かった教員の方は結局証言したのでしょうか。 https://t.co/7JoomqWSDi
なんか、木木のJpGUでの3つの発表(口頭1、ポスター2)は、内容が著しく重複している。 https://t.co/0lXpjSjd4v https://t.co/ls27HTYshN https://t.co/zsfsJS3BG3
林 衛:防災教育の観点からみた石巻市立大川小学校被災 https://t.co/lLPKSKfzIM JpGUでの5月22日発表資料です。 最近,アドビアクロバットを新しくしたので,PDFの圧縮がやりやすくなりました。ファイルは小さくなりますが,画像のあらさはありますね。

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