著者
金子 幸代
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.262-247, 2014-02-17

森鷗外の文体について澤柳大五郎は、鷗外の文章の清新さは、「畢竟明晰な理知と豊かな詩感と繊細な感受性と勁抜な思索となどさういふ豊富深刻な精神生活に裏付けられた人格に由来する」と称揚しているが、このことは鷗外の文体が書こうとしている作品の内実と深くかかわっていることを示していると言えるであろう。そこで本論文では、鷗外の文体を探るために漱石の『三四郎』(東京・大阪「朝日新聞」明治四十二・九・一〜十二・二十九)と『三四郎』に技癢を感じて執筆した長編小説『青年』(「スバル」明治四十三・三〜明治四十四・八)を取り上げ、鷗外作品の特徴について『三四郎』と比較しながらその内実について具体的に考えていきたい。

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