著者
金子 幸代
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.56, pp.456-444, 2012

2011年は,魯迅生誕130年にあたる。そこで本稿では,近代劇を代表するノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセン Henrik Ibsen (1828~1908)の『人形の家』Et Dukkehjem(1879.9)を取り上げ,日本と中国の文豪,森鴎外(1862~1922)と魯迅(1881~1936)のこの戯曲への反応を考察し,両者の関係について探っていきたい。
著者
金子幸代著
出版者
神奈川新聞社
巻号頁・発行日
2004
著者
金子幸代著
出版者
大東出版社
巻号頁・発行日
2011
著者
廣井 直樹 宮崎 保匡 寺井 秀樹 中島 早苗 斉藤 早代子 金子 幸代 山室 渡 比嘉 眞理子
出版者
東邦大学
雑誌
東邦醫學會雜誌 (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.341-346, 2005-09-01
参考文献数
11

食欲不振・嘔吐・嘔気を主訴に入院した70歳の女性。心拍数は72回/分・整であり,動悸や手指振戦はみられなかった。入院後も自覚症状は改善せず,徐々に気力の減退が著明となり食事摂取不能・全身の疼痛も出現した。TSH 0.1μIU/ml以下,FT3 20.0pg/ml以上,FT4 12.0ng/dl以上,TRAb 5.6IU/Lでありバセドウ病による無欲性甲状腺機能亢進症と診断した。Thiamazol 30mg/dayにて内服治療を開始したが精神症状の改善はみられず,さらに抗精神病薬を開始するが内服すら不可能な状況となった。高Ca血症を認めたため血清Caの補正を行ったところ,血清Caの低下に伴いうつ症状は改善した。本症例では一般的な甲状腺機能亢進症患者にみられるようなイライラや不眠,振戦,動悸や頻脈などの活動性亢進に伴う種々の症状は認めなかった。高齢者の場合,食欲不振や嘔気・嘔吐,無動,抑うつ傾向など比較的衰弱した印象が前面に出ることがあり,このような病態を無欲性甲状腺機能亢進症と呼ぶ。バセドウ病における精神症状発症の原因はいまだ明らかではないが,高Ca血症が影響しているとの報告もある。今回われわれは高Ca血症がうつ症状の進展に関与したと思われる無欲性甲状腺機能亢進症の1例を経験したので報告する。
著者
金子 幸代
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.262-247, 2014-02-17

森鷗外の文体について澤柳大五郎は、鷗外の文章の清新さは、「畢竟明晰な理知と豊かな詩感と繊細な感受性と勁抜な思索となどさういふ豊富深刻な精神生活に裏付けられた人格に由来する」と称揚しているが、このことは鷗外の文体が書こうとしている作品の内実と深くかかわっていることを示していると言えるであろう。そこで本論文では、鷗外の文体を探るために漱石の『三四郎』(東京・大阪「朝日新聞」明治四十二・九・一〜十二・二十九)と『三四郎』に技癢を感じて執筆した長編小説『青年』(「スバル」明治四十三・三〜明治四十四・八)を取り上げ、鷗外作品の特徴について『三四郎』と比較しながらその内実について具体的に考えていきたい。