著者
岩田 年浩 大石 太郎
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-31, 2002-08-20

ランダムに見える株価や経済データの変動に対する予測の可能性は,長く研究者の関心事であったが,それを分析する有効な手段は存在しなかった.ランダムな変動においては要素間の複雑な相互作用が関係しており,従来の回帰分析という近似では妥当し難い.近年, カオス研究の重要性については,自然科学や社会科学という枠組みを超えて議論がなされている.この新しい見解は,株価や経済データの分析においても新たな予測の可能性につながるものであるといえよう.本研究では,数値データそのものを定性的に分析する実証的カオス分析という新しい手法を用いて,株価や経済データの持つ独特の性質を抽出し,それが示す規則性から予測の可能性について検証した.

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