著者
村田 麻里子
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.141-167, 2021-09-30

本稿では、ミュージアムと呼ばれる施設の脱植民地化(decolonisation 英/decolonization 米)について、展示を通して考える。具体的には、植民地主義と密接に関係しているミュージアムのいくつかの展示に着目し、それらがどのような手法を用いてミュージアムのコロニアリティを脱構築しようと試みているのかについて検討する。とりわけ、グローバリゼーションのなかで自らの組織・コレクション・展示を脱植民地化しようとする西洋(主にイギリス)、そして先住民との対話の中で関係を徐々に変化させている北米やオセアニア諸国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)のミュージアムの展示手法を取り上げる。そのうえで、日本国内の事例として、2019年に北海道白老町に開館したウポポイ(民族共生象徴空間)の国立アイヌ民族博物館の展示について検討する。最後に、これらの事例の意義と課題を包括的に振り返る。

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村田麻里子(2021)「ミュージアムの展示における脱植民地化:「コロニアル・テクノロジー」を脱構築する手法の検討」『関西大学社会学部紀要』(53) https://t.co/c0lDH5fG5E

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