著者
田中 秀男
出版者
日本人間性心理学会
雑誌
人間性心理学研究 (ISSN:02894904)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.209-219, 2018-03-31

本研究では、ユージン・ジェンドリンの理論的用語「直接参照(direct reference)」の中核的意味を検討することで、“この感じ”“それ”のようにフェルトセンスの質を表さない言葉を、フェルトセンスの質を表す言葉から区別した。この区別を、『フォーカシング指向心理療法』(Gendlin, 1996)や『フォーカシング入門マニュアル』 (Cornell, 1994) の逐語記録を考察する隊に用いることで、セッションにおける短い沈黙のときにフォーカサーが主に行っている作業と、「ハンドルを見つけ、共鳴させる」作業との違いを明らかにした。この結果、フォーカサーの作業の違いに応じたリスナーのふさわしい応答を理論的に考察した。

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ここでいう「直接参照」とは、従来の翻訳書や解説書だと「直接照合」とも訳されてきたジェンドリンの用語。原語では “direct reference”。 https://t.co/0HUPLEH1Ad 田中秀男 (2018). “この感じ”という直接参照:フォーカシングにおける短い沈黙をめぐって. 人間性心理学研究, 35 (2), 209-219.

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