- 著者
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橋本 行史
- 出版者
- 関西大学政策創造学部
- 雑誌
- 政策創造研究 (ISSN:18827330)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.1-40, 2019-03-29
本論文では、港湾都市としての視点から神戸と堺の関係を歴史的に考察する。神戸市と堺市は、ともに港湾主導で発展してきた港湾都市である。しかし近隣の大都市である大阪市の直近の人口は増加し、加えて京都市の人口が横ばいないし微増であるにもかかわらず、神戸市と堺市の人口は減少している。その原因は、地域の成長を牽引する産業が育っていないことにあり、現在の両市は、次の発展段階を臨む踊り場に立っている。港湾都市は、取り扱う旅客や貨物を外部の地域に依存するがゆえに盛衰の幅が大きい。海港に空港も含めて両市を港湾都市としてみるならば、神戸も堺もともに大阪の外港としての機能を持っており、両市の盛衰は大阪との関係性によって左右される「シーソーゲーム」である。