著者
末成 道男
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ7 『フエ地域の歴史と文化―周辺集落と外からの視点―』
巻号頁・発行日
pp.579-599, 2012-03-01

本論は、中部ベトナム佛教の特徴を、教義や教団の側からではなく、地元の側に焦点を当てた人類学的観察を通して明らかにしようとするものである。その結果、ベトナムには、村寺が存在し、その祭壇には非仏教系の神明が多数置かれ、妻帯住持が住むなど、東アジアの中でも日本と多くの共通点を持つ、伝統的特徴が認められる。しかし、1930年代に始まった仏教新興運動も根付いていて、世代交代と共に上記のような伝統は大きな転機を迎えようとしている。しかし、伝統は必ずしも一方的に衰退するのではなく、ときには民族文化重視や市場経済化の影響などと結びつき、部分的な活性化がもたらされている。この複雑な動きを、フエ近郊村落清福における観察から提示したい。

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ベトナムの大乗仏教でも住職は妻帯していいらしいので、寺生まれのT(陳)さんは実在することになる……? https://t.co/g8TYHr6t53

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