著者
村山 功
出版者
愛知教育大学大学院・静岡大学大学院教育学研究科 共同教科開発学専攻
雑誌
教科開発学論集 (ISSN:21877327)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.55-64, 2013-03-31

断片的知識(KIP)論は、認知の文脈依存性や知識構造の獲得・移行を重視した、知識表現モデルの一種である。KIP コミュニティにおける先導的な研究者であるdiSessa は、物理に関する直観的な推論を説明するためにp-prims 理論を構築した。p-prims は小さな要素知識であり、呼び出しの優先度と信頼性の優先度によって相互に結びついている。形式的知識と素朴概念の共存、およびそれによる推論は、これらの結合の変化によって説明される。Lawler は自然な状況における自分の娘の加算の学習を、彼流のKIP 理論であるマイクロワールドによって説明した。どちらの研究者も、知識の文脈依存性やKIP間の関連付けの重要性を強調している。このことは、学習者の知識が文脈に依存しない一般的な構造であり、容易に組み合わせて新たな知識構造を作ることができるとする、教育上の仮定に対する再考を促す。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

【参考文献】村山 (2013) 断片的知識論とその教授活動への示唆 https://t.co/yhlVyCv5lH

収集済み URL リスト