- 著者
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加藤 雅啓
- 出版者
- 上越教育大学
- 雑誌
- 上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, pp.163-172, 2008-02
英語には,統語構造上,文の焦点が特定の位置に生じる構文がある。it分裂文は,学校文法でもit-thatの強調構文として知られているように,主節(it節)と従属節(that節)の複文構造から成り,焦点が主節のbe動詞の後の位置に固定した構文である。この焦点位置に生起できるのは,典型的には名詞句と前置詞句であるとされているが,これら以外の文法項目も焦点として生じることができることが知られている。本稿は,このうちQuirk et al.(1985)における付加詞,及び下接詞をとりあげ,その焦点位置での生起可能性について,中右(1994)のモダリティ理論の枠組みによって一般化を試みるものである。