著者
金沢 吉展 岩壁 茂
出版者
明治学院大学心理学会
雑誌
明治学院大学心理学紀要 = Meiji Gakuin University bulletin of psychology (ISSN:18802494)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.137-147, 2013-03-30

日本の心理臨床家が臨床家を志した当初の動機および現在臨床業務に取り組む動機について,日本語版「心理臨床家の成長に関する調査票」(DPCCQ-J)の自由記述回答を基に検討した。「臨床家になる元来の動機や理由とその動機をもった時期」に対する116名の回答と「現在心理臨床業務を行う動機」に対する115名の回答を,グラウンデッド・セオリー法と合議的質的研究法に基づく質的分析法により分析した。当初の動機としては,他者貢献への意欲が最も多く,次いで,心理学,心理療法,あるいは心の働きに対する知的・職業的好奇心が挙げられた。現在の動機にも他者を援助することへの意欲が最も多く挙げられたが,32.1%の回答は回答者自身にとっての臨床業務の意義について述べたものであった。業務上あるいは経済的な必要性も当初の動機・現在の動機ともに少なからずみられた。臨床家の教育訓練にどのような課題が示唆されるかについて論じた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

救われたから救う側になりたい人とか 役に立ったことがあるからもっと役に立ちたいとか。ワイは後者。 https://t.co/hQNfrQcQyy https://t.co/CDsbIquGTw

収集済み URL リスト