著者
岡部 光明
出版者
明治学院大学国際学部
雑誌
明治学院大学国際学研究 = Meiji Gakuin review International & regional studies (ISSN:0918984X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.105-122, 2016-03-31

本稿では、日本語として未だ使われることが多くないインテグリティ(integrity)に焦点を合わせ、その概念、構成要素、機能などを分析した。その結果、次の主張をした。(1)インテグリティとは、語源的に首尾一貫性を基本的意味として持っており、それに正直、誠実、公正などの倫理的意味や、説明責任などの要素も加わった複雑な概念である。(2)インテグリティを体得すれば a)どのような状況にも安心して対応できる、b)第三者からの信頼感が高まる、c)日々の生活を単純化できる、などのメリットがある(本稿ではこれらをシェリングの自己管理モデルを応用して分析した)。(3)インテグリティは、個人についてだけでなく、職業上のインテグリティ、組織のインテグリティなど多くの面で重要な規範になっており、それらが満たされる組織や社会は健全な良い社会になる。(4)日本では、インテグリティの概念を普及させる余地が依然としてかなり大きく、それは大学教育で達成すべき大きな目的の一つでもある。

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「なぜ 「正直は最良の策」 なのか? インテグリティの個人にとっての意義と社会的機能」 https://t.co/S9R7o07IAm

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