- 著者
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大宮 秀淑
- 出版者
- 札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
- 雑誌
- 札幌学院大学心理学紀要 = Bulletin of Faculty of Psychology Sapporo Gakuin University (ISSN:24341967)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.1, pp.35-56, 2018-10-31
本研究の目的は,箱庭療法で使用される砂の色が異なる箱庭作品に違いが認められるか否かを検討することである。対象は大学生55名(男子:22名,女子:33名)である。対象者は2種類の砂(白砂・茶砂)を用いて各砂色につき1回ずつ箱庭作品を制作した。制作終了後,質問紙による回答を求め作品の印象を訊ねた。結果として,白砂による作品は未熟な印象を与え作品に対する満足度が低いことが明らかとなった。白砂という素材が持つ様々かつ曖昧なイメージを刺激する働きによる影響が認められた。イメージ内容には性差が認められ,男子学生は否定的イメージを持つことが示された。一方,茶砂に関しては作品に対する満足感が高く,性差が認められるとともに茶砂が持つ大地の役割や母性とのつながりが示唆された。制作回数の効果については,1回目よりも2回目の作品の方が成熟度に関して深まりが感じられる結果となった。他の砂色に関する比較検討が今後の課題である。