著者
井上 大介 INOUE Daisuke
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1-2, pp.35-56, 2023-03-20

本稿ではインターネットをはじめとする電子メディアを媒介としたコミュニケーション、相互行為が社会をどのように変容させつつあるのかという点について、宗教文化に限定して考察したものである。日本におけるデジタル・メディアと宗教に関する研究では、宗教教団がどのようにインターネットを活用しており、組織の形態や運営がどのように変化しつつあるのか、といった事例研究が中心となってきた。他方、欧米における研究動向では、Digital Religion という領域において様々な研究が、 990 年代以降蓄積されてきた。本論の前半では、同研究領域の概要を先行研究に沿って紹介し、特にそこでの理論的枠組みが宗教観、儀礼、帰属意識、共同体、権威、身体化という6つの領域である点を整理した。後半では、その中の権威について注目しつつ、キューバにおけるヨルバ系宗教であるレグラ・デ・オチャ=イファ信仰を題材に、そこにおける伝統的指導者と現代的指導者の相違点、およびそこでの師弟関係の変容および孤独化の現状に注目しつつ論を展開した。

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PDFあり。 ⇒井上 大介 「キューバにおけるデジタル宗教の実践と孤独化の諸相 ―スマートメディアとインターネットによって変容するサンテリーア信仰を題材として」 『Sociologica』Vol. 47 No. 1・2 (2023/3) https://t.co/ebgNXzNBQq

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