著者
井村 直恵
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー = Kyoto Management Review (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.295-309, 2018-03-15

リスクマネジメントは定義も多様で,分析視点も多岐にわたる.法令で求められる内部統制システムを持つ企業でもアウトプットが異なるのは,現場での運用が異なるからである.本研究では,Weick&Suttcliffe(2001, 2007, 2015)らによる高信頼性組織で主張する「マインドフル」な組織文化が日本企業内でどの程度存在するのか,企業を人的被害の大小・経済的被害の大小で4 類型に分け,類型の違いと文化について10 社からの聞取り調査の結果をテキスト分析した.分析の結果,インフラ系の企業(人的被害大×経済的被害大)の企業は,マインドフルな文化を持ち,一般企業の多くが個人の愛社精神やコミットメントに依存したリスクマネジメントを行っている事が示された.

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