著者
箕輪 雅美
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
no.22, pp.43-63, 2013-03

本稿では,モーニング娘。とAKB48という2つのアイドルグループをビジネスシステムとして捉えることで,それら の2つのグループが高い経済的成果を上げ続けている理由を分析する.モーニング娘。に長期に渡る成功をもたらしたのは,アイドルグループをブランドとして捉え,企業が新製品を投入することでブランドの長期に渡る生存を図るように, メンバーの入れ替えを繰り返すことで,グループの長命化を可能にしたことにある.AKB48の空前絶後と言われる成功の理由は,小劇場において毎日公演を行うことにより,仮説・検証のサイクルを高速で回し,グループを顧客のニーズに高いレベルで適合させ,核となる顧客をつくりあげた上で,それらの顧客に複数のCDを購入させるライブアイドルの手法を発展的に導入し,新しいビジネスシステムを創造したことにある.
著者
李 為
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー = Kyoto Management Review (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.143-159, 2021-03-31

p 値は学界で論争されてきた話題で,ロナルド・フィッシャーはp 値を形成することを提案し,0.05 をこのp 値の閾値に設定した後,この話題の論争は中断されたことがない.p 値の廃止を提案した方々は,p 値を過度に重視しすぎたため,研究者は様々な方法でp<0.05 を求めるだけに腐心し,実際の効果の大きさを無視していると指摘している.近年,多くの学者が連名でp 値の廃止を呼びかけているが,廃止を支持しない研究者は,p 値が帰無仮説として成立する確率は客観的な評価基準とみなし,p 値を廃止すると論文で結論を判定することが困難であり,様々な無意味な結論に満ちてくるだろうと反論している.現在,様々なフォーラムで,この問題を議論する議題が次々と出ており,議論の内容は素晴らしいが,参加者の見解には大きな隔たりがあり,p 値が廃止されるべきか否かの結論は出ていない.筆者は社会調査データ分析を扱う立場から,本稿で現状に基づいてp 値の是非を考える.
著者
浜崎 章洋 中野 幹久
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.43-62, 2015-09

サプライチェーン管理の領域では,需要の不確実性が高い工業製品を対象とした研究が多い.本稿では逆に,供給の不確実性が高い非工業製品であり,農業製品のひとつである種子に焦点を当てる. 国内大手のタキイ種苗の事例研究にもとづいて,まず種子のサプライチェーンを概観する.続いて,よく知られているHau L. Lee の枠組みを使い,種子のサプライチェーン戦略をリスク管理重視に位置づけて,リスク管理の分析枠組みを設定する.その分析枠組みを使って,タキイ種苗によるリスク管理の取り組みについて議論し,同社の事例から有益な示唆を引き出す.
著者
箕輪 雅美
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.43-63, 2013-03

本稿では,モーニング娘。とAKB48という2つのアイドルグループをビジネスシステムとして捉えることで,それら の2つのグループが高い経済的成果を上げ続けている理由を分析する.モーニング娘。に長期に渡る成功をもたらしたのは,アイドルグループをブランドとして捉え,企業が新製品を投入することでブランドの長期に渡る生存を図るように, メンバーの入れ替えを繰り返すことで,グループの長命化を可能にしたことにある.AKB48の空前絶後と言われる成功の理由は,小劇場において毎日公演を行うことにより,仮説・検証のサイクルを高速で回し,グループを顧客のニーズに高いレベルで適合させ,核となる顧客をつくりあげた上で,それらの顧客に複数のCDを購入させるライブアイドルの手法を発展的に導入し,新しいビジネスシステムを創造したことにある.
著者
大木 裕子
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-25, 2010-10

初期のピアノにはウィーン式とイギリス式の2つのアクションが存在していたが,イギリスと大陸を行き来する音楽家を介して双方のよさを取り入れたピアノが開発されるようになった.イギリスを中心としたヨーロッパのピアノ製作は伝統にこだわる一方で,アメリカでは積極的な技術革新が進められ,世界のピアノ生産の中心はアメリカに移っていった.本稿では欧米の主要ピアノメーカーを中心に,19世紀の終わりに完成したピアノという楽器の技術革新の過程を振り返る.
著者
大木 裕子 古賀 広志
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.19-36, 2006-06

本稿の目的は,クレモナの弦楽器工房における知の転換メカニズムを探る上での予備的考察として,クレモナにおける弦楽器製作の現状と課題を整理することにある.公開資料よりクレモナの概況,世界のヴァイオリン製作の現状,クレモナのヴァイオリン製作学校,ヴァイオリン製作コンクールについてまとめ,現地調査により伝統工芸が抱える問題点について考察した.結論として,ヴァイオリン製作という伝統工芸が抱える問題点は,「楽器の個性を製作者がいかに表現していくのか」という点にある.「楽器と演奏家の相互依存関係ないしスパイラル関係」は神話化され,ヴァイオリンという楽器の価値を高めるのに役立っている.製作者が考える伝統と個性に加えて,音色に関わる神話が楽器の個性を彩っている.
著者
玉木 俊明
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.69-82, 2007-12

はじめに1.外国貿易の変遷―ストックホルムを中心に2.貿易商品の変化3.ストックホルムの地位の低下おわりに
著者
川又 啓子
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.79-100, 2009-06

はじめにⅠ 日本におけるマンガの現状 1. 2008年のマンガ市場 2. 日本のマンガ消費の特徴Ⅱ フランスにおけるマンガの現状 1. バンド・デシネ(bande dessinée=BD)とはなにか 2. BDとマンガ 3. フランスのマンガ市場 4. フランスのマンガ関連イベント 6. フランスにおける文化消費の特徴むすびにかえて参考文献
著者
涌田 龍治
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー = Kyoto Management Review (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.89-102, 2021-09-01

本稿の目的は,スポーツの試合に対する需要が結果の不確実性仮説でどの程度説明できるのかを文献レビューを通じて明らかにすることにある.ここでは,不確実とされる結果を短期としているか長期としているかで先行研究を分類し,それぞれの分野で何が明らかになったのかを問う.試合の勝敗という短期的結果の不確実性が需要を左右すると捉える先行研究からは,需要量の増加を正確に捉えることができないと,結果が不確実であっても需要は増加しないように見えるという可能性が示された.シーズンの優勝という長期的結果の不確実性が需要を左右すると捉える先行研究でも,同様の可能性が示された.それゆえ,売上高のような需要量の増加を正確に捉える変数を用いると,多くのスポーツリーグで結果の不確実性仮説が支持されるだろうと推測できる.
著者
大木 裕子
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.21-39, 2005-12

はじめにⅠ.イタリア弦楽器製作の歴史Ⅱ.クレモナ派のヴァイオリン製作者Ⅲ.クレモナ黄金時代をめぐる環境的考察おわりに
著者
金光 淳
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
no.29, pp.27-50, 2016-09

ウェブ調査による都市ブランド調査によって109都市(一部地域)の都市ブランドの構造とその生成メカニズムが解明される.衣食住遊,経済政治社会分野にわたる21のブランド要素からなる都市ブランドモデルで測定されたスコアでは東京都心部と京都市をトップとする不平等構造が明らかになった.また因子分析は4種類の都市類型の分化構造を明らかにし,多重対応分析によって4類型に対応した「伝統・観光都市」「近代的大都市」「地方都市」「大都市郊外都市」の都市分布構造マッピングが描出された.さらに地理空間変数と諸都市資本(自然資本,文化資本,社会関係資本,創造資本)によるクラスター分析によっても「中核都市クラスター」「大都市郊外都市クラスター」「地方都市クラスターI」「地方都市クラスターII」「周辺都市クラスター」の階層的都市システムが明らかにされた.最後にPLS回帰分析による都市ブランドに対する諸資本の効果分析では,「都市ブランドの地理的埋め込み仮説」「高都市ブランド高文化資本仮説」「高都市ブランド高寛容性仮説」「 高都市ブランド創造都市仮説」が支持されたが,「高都市ブランド高ソーシャル・キャピタル仮説」は支持されなかった.これらの結果から今後の都市ブランディングに関するインプリケーションと課題が示された.
著者
川又 啓子
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.107-132, 2005-06

はじめにⅠ.音楽Ⅱ.ゲームⅢ.映画Ⅳ.アニメーションⅤ.出版(書籍・雑誌・コミック) 1.書籍 2.雑誌 3.コミック(漫画)むすびにかえて
著者
山下 麻衣
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.25-38, 2014-09

本論文の目的は,日清戦争以降から満州事変以前において,日本赤十字社がどのような救護をおこなっていたのかを明らかにすることにある.日本赤十字社の主たる事業上の使命は,戦傷病者をケアすることであった(「戦時救護」).但し,国際赤十字社は,1920 年以降,健康管理や疾病予防のための取り組みを行なうようになった.この流れを受けて,日本赤十字社は,少年赤十字を結成し,学校看護婦および社会看護婦を養成し,林間学校を文部省と協力して行なうようになった(「平時救護」).これら事業は日本における健民健兵政策と強く結びついていた.
著者
石光 裕
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.63-79, 2015-09

第1節 はじめに第2節 日本企業の研究開発投資の実態第3節 無形資産の経済的性質第4節 研究開発投資の会計基準第5節 研究開発投資についての先行研究第6節 おわりに