著者
草野 友子
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.196-212, 2011-03

本稿は,中国の新出土文献「銀雀山漢墓竹簡(ぎんじゃくざんかんぼちっかん)」(以下,銀雀山漢簡)の「論政論兵之類」に分類される『為国之過』を取り上げ,その文献的特質を考察するものである。 銀雀山漢簡は,1972 年に出土した竹簡であり,その内容は主に古代兵書である。全容は三分冊によって公開されることが予告されていたが,『孫子兵法』『孫臏兵法』などを収録した 『銀雀山漢墓竹簡(壹)』の刊行後,続巻の刊行が中断した。 しかし,2010年になってようやく『銀雀山漢墓竹簡(貳)』が刊行された。第二輯において公開された『為国之過』は,国を治める際の過失について,箇条書き風に説かれている文献である。そこには,国家の存亡,君主・臣下・民の相互関係,戦争時における対策などについて具体的に書かれており,その理想と現実とが述べられている。 本稿では,『為国之過』の内容を確認した上で,その全体構成と本文献の特質を明らかにしていきたい。

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@haneko_tweet 草野友子「銀雀山漢簡『為国之過』の全体構成とその特質」『京都産業大学論集』人文科学系列,43,196-212 (2011-03) https://t.co/L1prRu8MZ9 椛島雅弘「銀雀山漢墓竹簡「雄牝城」篇と中国古代の攻城・守城の思想」『中国研究集刊』63号 2017年6月 https://t.co/yelgJ5ndun

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