著者
大和田 範子 オオワダ ノリコ Ohwada Noriko
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.193-210, 2013-03-31

100 年前の岡倉覚三を現在からどのように捉えればよいかと考えたことをきっかけとして、彼の展示表現をそのまま受け継いでいる仏像展示に岡倉の残像を求めることから今回の調査を始めた。ボストン美術館は1909 年の新築移転により、当時の東洋部(中国・日本部)の顧問として岡倉は設計から参加し、展示会場を現在の状態に作り上げた。日露戦争を背景として、アメリカのマサチューセッツ州ボストン市で活動した彼にとって、展示は日本主張の一つの方法であり、そのままの日本をボストン美術館に再現するという当時では斬新な方法で、日本文化を西洋人に向けて発信するために、仏像展示にこだわり工夫を凝らした。このような彼の姿勢が現在どう受け継がれているかを調査するため、2011 春開催の「茶道具展」展示をもとに岡倉の残像を浮かび上がらせようと分析したのが本論である。方法として、ボストン美術館の日本部門が開催した2 月12 日開始の「茶道具展」、「茶道具展」に関連した3 月13 日の「茶のシンポジューム」、そして中国部門が2010 年11 月20 日から2011 年2 月13 日まで開催した特別展「フレッシュ・インク」の展示との比較調査を行い、2 カ月にわたる資料収集から岡倉覚三を現在から捉える試みを行ったものである。

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ボストン美術館にみる岡倉覚三(天心)残像・2011年春の「茶道具展」展示をもとに/大和田範子:osaka university knowledge archive http://t.co/Vb4gaPPZII
“ボストン美術館にみる岡倉覚三(天心)残像 : 2011 年春の「茶道具展」展示をもとに - 大阪大学リポジトリ” http://t.co/k6m1ovTrvi

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