- 著者
-
孫 暁強
木藤 恒夫
- 出版者
- 久留米大学大学院心理学研究科
- 雑誌
- 久留米大学心理学研究 = Kurume University psychological research (ISSN:13481029)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, pp.15-23, 2018-03-31
本研究では,質問紙調査により日中大学生の化粧意識と化粧行動の実態を調べ,さらに化粧意識と化粧行動との関連を検討した。155名の日本人大学生と154名の中国人大学生を対象として,化粧意識の3因子(「魅力向上・気分高揚」,「身だしなみ・必需品」,「効果不安」)と16項目の化粧行動について調査を行った。その結果,化粧意識において女子は日本が中国よりも高く,男子は日本が中国よりも低かった。化粧行動においては,日本の女子と中国の男子は皮膚のケアといった項目に,中国の女子はケアと共に魅力向上のための項目に頻度が高かった。日本の男子は全般的に化粧頻度が低かった。化粧意識と化粧行動との関係においては,両国の女子ともに3因子において相関が認められた。ただし,「魅力向上・気分高揚」では,男女とも日本では正,中国では負の相関が見られた。このことは,日本と中国はそれぞれの文化や社会が異なるため,化粧のとらえ方にもそれらの影響が及んでいることを示唆する。