- 著者
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香内 晃
- 出版者
- 北海道大学低温科学研究所
- 雑誌
- 低温科学 (ISSN:18807593)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, pp.31-37, 2008-03-31
星間分子雲および隕石母天体で起こりうる新しいダイヤモンド形成過程を実験的に見いだした.星間分子雲では,不純物を含むアモルファス氷に紫外線が照射されることでダイヤモンド前駆体を含む有機物が形成された.さらに,それに紫外線が照射されるとダイヤモンドは5nm 程度に成長した.これ
らの過程は宇宙では普通に起こっている現象なので,ダイヤモンドは宇宙のどこにでもあると言える.また,星間分子雲で形成された有機物が隕石母天体上で水と反応し,その後さらにドライな雰囲気で加熱される過程も実験的に再現した.得られた試料中にはかなりの量のダイヤモンドが含まれていた.隕石中に存在する性質の異なるナノダイヤモンドは,星間分子雲および隕石母天体上の双方で形成されたと考えられる.