著者
田中 嘉浩
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.41-47, 2013-01-17

選挙, 市場, オークション, 政策等, 異なる選好を持つ人々の間で第三者が集団としての選好を決めなければならないことが多い。本稿では特に2集団マッチング, 中でも1対1マッチングに関して Gale and Shapley (1962) に提案されたDeferred Acceptanceアルゴリズムが導出する安定マッチングの性質や問題点について明らかにする。安定マッチングに関しては, Deferred Acceptanceアルゴリズムは存在の構成的証明になっているが, 束に対するTarskiの不動点定理を用いる存在証明を紹介し, 安定マッチングの線形計画表現を述べる。また, 2集団マッチングに関するDeferred Acceptanceアルゴリズムの(多対1にし, 他の要素を加えた改良版の)適用例や, その周辺の話題, 様々な方向への一般化を概観し, その他の解法の考え方についても触れる。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

収集済み URL リスト