著者
岡田 美弥子
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.45-64, 2013-06-11

本稿の目的は,日本のマンガビジネスを牽引し,アニメやキャラクター商品,およびマンガ以外のエンターテイメントに素材を提供してきたコミック事業に焦点を当て,コミックのビジネスシステムがどのように誕生し,どのような機能を有するのかを解明することである。日本におけるコミック事業の歴史および代表的な少年コミック雑誌編集部の事例から明らかになったのは,日本のコミック事業におけるビジネスシステムが2つの仕組みから成り立っていることである。1つめの「マンガ家の発掘・育成の仕組み」は,誌上で実施される作品公募や編集部への作品の持ち込みによって,誰にでもマンガ家になれる機会を与えて潜在的マンガ家の裾野を広げるという機能をもっていた。2つめの「競争による選別・淘汰の仕組み」は,コミック誌上で行われる人気投票すなわち読者の評価にもとづいて,マンガ家を競争させ,質の高い作品を生み出していた。また,これらの仕組みには,コミック雑誌と読者の双方向関係における,読者の評価や読者から生まれるマンガ家志望者の存在が欠かせないことも解明された。

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@sssssayama 仮名を付けないといけないわけではないですが、社会的に広く知られた会社や雑誌ですら、このように仮名にするのは少なくないので、仮名でも問題なかったはずなのに、ということです。 https://t.co/DjfOmdiMUH
元になったとおもわれる論文。PDFあり。  岡田美弥子「マンガビジネスの生成と発展 : コミックのビジネスシステムの解明」『經濟學研究』63(2013/6) https://t.co/AAR38qvzYv
CiNii 論文 -  マンガビジネスの生成と発展 : コミックのビジネスシステムの解明 http://t.co/GjByGJ9szA ◆1970年頃の漫画原稿料調べてみてるのだけど「当時の1ページあたり原稿料の相場は平均4000円で、中堅漫画家なら5000円から6000円」…?

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