著者
平野 郁子
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.1-22, 2014-06-30

本研究は,発達障害のある人が障害者手帳をもって生きるとはどのような体験かを明らかにする目的で,手帳取得前後のエピソードを4 名の協力者から聞き取り,質的分析を行った。 協力者らは,葛藤の末に複雑な心境で取得を決断し,取得後は,手帳を役立つものとして活用していた。しかし,期待と異なる厳しい障害者雇用の現状や,健常者にも障害者にも成り切れない「どっちつかず」のアイデンティティの矛盾に直面するなかで、複雑な思いも抱いていた。 こうした様々な揺らぎに対し,協力者らは診断以前からある信念や価値観をもとに折り合おうとしていた。そして、本研究で語ることを通じて障害者手帳をもって生きる体験が“葛藤を抱えつつ社会と自分に折り合いながら生きること”として語られていった。

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とても興味深い論文を見つけた。 発達障害のある人が障害者手帳をもって生きる体験 : 青年期以降に診断を受けた取得者へのインタビューから https://t.co/edbr9IKvBr
“ 定型発達の人たちが暮らしている国,場所や国があって。うーん。なんて言うんですかね。パスポートがない まま入っちゃっても入ろうと思えば入れるんですけど。すごくまるで不法入国のような感じ。すごく居心地が 悪い状態になってしまう。っていう感じがあって。“ https://t.co/moPi8hT5im
平野郁子(2014)「発達障害のある人が障害者手帳をもって生きる体験ー青年期以降に診断を受けた取得者へのインタビューからー」『北海道大学大学院教育学研究院紀要』第120号P1〜22 http://t.co/DMTLwAxOT7
@ynabe39 発達障害者の方については、精神障害者保健福祉手帳、知的障害を伴う場合は精神障害者保健福祉手帳に加えて療育手帳を受けることができ、現状で対応出来ると考えている(厚生省)http://t.co/LiZlsCV6X4 参考 http://t.co/E8AkRCqrTa
発達障害のある人が障害者手帳をもって生きる体験 -青年期以降に診断を受けた取得者へのインタビューから- 著者: 平野 郁子 発行日: 2014年6月30日 誌名: 北海道大学大学院教育学研究院紀要 http://t.co/bXXctxaa65

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