著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.25-33, 2018-06-14

企業事故・不祥事の発生原因については,倫理制度の不備,倫理風土の欠如など多くの要因が指摘されている。その中で,企業事故・不祥事発生の直接的な原因として指摘される要因が規則違反である。そこで,本稿は,インタビュー調査を基に,規則違反行動に至るプロセスについて探索を行なうことを目的とする。まず,規則の定義と類型,そして,規則違反の要因についての先行研究の整理を行った。先行研究においては,規則違反行動の要因として,個人的要因,組織的要因,ハードウェアの要因,規則に関連する要因が指摘されていた。次に,「これまで遵守してきた規則を違反する際の要因」に関して半構造化インタビューによる調査を行った。インタビュー調査の結果,これまで遵守してきた規則を違反するプロセスを構成する要因として,①解決困難な課題(解決が困難で,組織にとって重要だと認識されている課題),②上司の姿勢(上司による問題解決のプロセスに関する無関心の表明),③合理化(規則違反行動の正当化)という3つの要因が抽出された。

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・規則違反行動のプロセスの探索, 經濟學研究, 68(1), 25-33 https://t.co/YajDHF0ke4 ・コンプライアンス研修の設計と実際, 日本経営倫理学会誌, 2020 年 27 巻 p. 221-233 https://t.co/SUPhicnekK

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