- 著者
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山本 さやか
- 出版者
- 北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部
- 雑誌
- 日本語・国際教育研究紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.24, pp.84-103, 2021-03
本稿は、中級理解(運用)クラスにおいて、書評ゲーム「ビブリオバトル」をオンライン授業の中で実践した報告である。普段教室で行っている実践をオンライン上で行った結果および今後の課題について明らかにすることを目的としている。今期はオンライン授業でコミュニケーション機会が限られたため、学習者には通常の教室授業時よりさらに「相手の立場に立った発表」をするよう働きかけた。その結果、オンライン上ゆえの限界があるものの、学習者はそれぞれ工夫を凝らし相手の立場にたった発表を行うことができた。またこの活動を通じて日本語で本を読む楽しさを知り、聞き手との深い議論をすることができた。本実践の結果から、オンライン上であってもビブリオバトルは中級日本語学習者にとって総合的な日本語力訓練のための意義ある活動になることが示唆された。