著者
薬袋 秀樹 Hideki MINAI
雑誌
三田図書館・情報学会研究大会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.49-52, 2019-11-19

裏田武夫・小川剛編『図書館法成立史資料』(1968)は、図書館法案検討の最終段階の法案として、国会に上程された「図書館法案」とその前の「図書館法案要綱」を収録しているが、岡田温は、同書に収録されていない「図書館法案((秘)研究用)」と「図書館法情報第8号 別紙」を紹介している。本研究の目的は、後者の2点の資料がどの段階で作成され、どのような内容であったかを明らかにすることである。関係資料から法案の修正経過を明らかにし、「図書館法案」等4点の資料を比較し修正内容を明らかにした。主要な成果は次の通りである。1)修正経過:「研究用」は1月25日に国庫補助関係の規定が確定した段階の法案、「第8号 別紙」は、GSの意見を容れた2月25日の修正内容と考えられる。「図書館法案要綱」→12.27法案→1.4内閣法制局審議用原案→国庫補助関係規定の追加→「研究用」→「第8号 別紙」の修正→「図書館法案」の順である。2)修正内容:「研究用」では、認可制、司書検定等の規定が削除され、司書講習、補助金、望ましい基準等の規定が設けられた。「第8号 別紙」では、公立図書館長の司書資格、司書・司書補の配置を義務付けた規定が各々条件付きに修正された。

言及状況

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【案内】「図書館法案検討の最終段階における法案の修正-1949年12月から1950年3月まで」(『三田図書館・情報学会研究大会発表論文集』2019年度,2019.11,p.49-52)(つくばリポジトリ https://t.co/sWmvjtjfxn)と合せてお読みください。
【案内】「法案修正」(https://t.co/sWmvjtjfxn):図書館法制定直前に法案が修正されており、特に「司書」の配置や館長の司書資格に関する大きな修正が行われています。その前には「図書館法案要綱」があり、「司書検定試験」の実施を規定しています。(続く)
【案内】今秋の発表2点について解説します。題名が長いので、「図書館法案検討の最終段階における法案の修正」を「法案修正」(https://t.co/sWmvjtjfxn)、「社会教育施設の基準における定量的規定の見直しの背景と経緯」を「基準見直し」(https://t.co/WJw8dD9cNN)と略したいと思います。
【案内】「図書館法案検討の最終段階における法案の修正-1949年12月から1950年3月まで」(薬袋秀樹)(『三田図書館・情報学会研究大会発表論文集』2019年度,2019.11,p.49-52)をつくばリポジトリで公開しました(https://t.co/sWmvjtjfxn)。これで、この秋発表の2点が揃いました。

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