著者
新谷 由紀子 菊本 虔
出版者
日本知的財産協会
雑誌
知財管理 = Intellectual property management (ISSN:1340847X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.175-189, 2014-02

学術論文のうち、特に自然科学系の原著論文については、著作権の対象として保護される可能性が低く、むしろ、全体として論文の著作物性を否定するべきである。そして、当該論文の問題に関しては、裁判所の判断を求めるのではなく、学界内部にその救済機関を設置し、プライオリティの判断や著者の名誉の保護を目指すべきである。それにより論文の電子媒体等による広範な普及を図ることができ、一方、学術出版社(者)に与える影響は小さいか、ほとんどないと考えられる。また、学術研究と著作権に関連する創作性のないデータベースについてデータベースの投資者に独自の権利(sui generis right)を与えることについては、著作権類似の権利の拡充を認めるものであり、特に、学術研究に対する重大な障害になるおそれがあるので、慎重、かつ、広範な議論を要する。

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“新谷由紀子・菊本虔 (2014)「自然科学系の学術論文は著作物となり得るか : 自然科学系の学術論文と著作権の関係について」『知財管理』64(2):175-189 | つくばリポジトリ” https://t.co/q5OwExNxbM

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