著者
柾木 貴之
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.67-84, 2015-03-01

本研究は1901 年から戦前までを対象に、「国語教育と英語教育の連携」をめぐる状況について明らかにすることを目的とする。2000 年以降、「連携」に関する議論が高まり、各分野から研究が進んでいるが、ほとんど研究が進んでいないのが歴史的研究である。とくに戦前にどの程度、「連携」が行われていたかについてはほとんど明らかになっていない。このような状況の下、今回、国語教育と英語教育の両方の資料について文献調査を行った結果、明らかになったのは、(1)戦前において、国語教育と英語教育は言語の形式面の指導において連携すべきであるという提言が複数あったこと、(2)実際、国語教育と英語教育は形式面の指導で共通した部分があったこと、(3)しかしながら、内容面の目標の相違が国語関係者と英語関係者の意識に隔たりを生んでいたこと、の三点である。この意識の隔たりが戦前に「連携」が実現しなかった一因と考えられる。

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国語教育と英語教育の連携前史 ―1901年から戦前までを対象に― https://t.co/TnfGoCpeED いわゆる「口語」とは何だったのかがわかる!この論文は素晴らしい。 https://t.co/yl5tAcQxZG

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