著者
韓 立友 河合 淳子
出版者
京都大学国際交流センター
雑誌
京都大学国際交流センター 論攷 (ISSN:2185680X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.37-56, 2012-02

本稿では、最初に京都大学における留学生受入れ体制整備の一環として行われているアドミッション支援オフィスと東アジアでの大学独自の留学説明会について述べた。次に、これらの取り組みが必要とされる背景として、中国の一流大学に日本留学への関心を持つ学生が一定程度存在するにもかかわらず、日本の大学にそれらの優秀な学生を十分に受入れられていない現状を指摘した。その原因を中国の一流大学に在籍する学生を対象に実施したアンケート調査等に基づいて考察した結果、(1)留学方法の分かりにくさ、情報不足、奨学金・入試制度等の日本の留学生受入れ体制の問題点、(2)大学間格差、留学仲介業者の存在といった中国側の状況、(3)高等教育システムについての日中の相互理解不足が背景にあることが明らかになった。アドミッション支援オフィスの導入及び広報活動の充実が図られて以来、状況は改善しつつあるが、課題は残る。最後に課題克服のための展望を述べた。

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