著者
劉 欣寧
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 = THE SHIRIN or the JOURNAL OF HISTORY (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.823-856, 2012-11-30

戸籍制度には、個別人身支配の手段として、人間を土地に繋げて把握するという特徴が看取できる。本稿は新出簡牘を利用して本籍地について考察を行い、秦漢時代の支配形態の一端を論述した。まず、本籍地が身元表記とされていた理由は、本籍地に保存される記録に繋がるためだと考えられる。つまり、統治のために必要な個人情報を本籍地に集中する仕組みがあり、その人の本籍地さえ解れば、文書一通でかれの履歴を獲得することができたからである。さらに、伝の申請手続きに示されるように、個人情報を保管するのは主として本籍のある郷であったが、県もそれを検校することができた。一方里は文書と無関係にあり、別の手段で民を把握していた。最後に、刑徒の身元表記から考察した結果、刑徒には本籍地がなかったことが解った。戸籍は里に居住する人々を対象に編成されたものであり、刑徒は里から追い出されたため、戸籍からも消し去る必要があったからである。

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[歴史や伝承][定量化の必要性][あとで読む]
戸籍と身分制度、統治。

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