著者
山岡 史享 神田 崇行 石黒 浩 萩田 紀博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.3577-3587, 2007-11-15

最近,遠隔操作型のコミュニケーションロボットが用いられ始めてきた.本研究のねらいは,このような遠隔操作型のロボットと人が相互作用する際,人はロボット自身と相互作用しているように感じるのか,それとも背後の人と相互作用していると感じるのか,またそのような感じ方の違いは,相互作用にどのような影響を与えるのだろうか,ということを検証することである.そこで本研究では,ロボットはプログラムによって自律的に動いていると被験者に教示する条件と,ロボットは操作者によって遠隔操作されていると被験者に教示する条件の2 つの実験条件を設定し,2 つの条件間における被験者のロボットに対する印象の差異を検証した.実験では,被験者は人型ロボットと,アイコンタクトや接触行動などお互いの身体を使った相互作用を行い,そのときのロボットの印象を評価した.実験の結果として,2/3 の被験者は,ロボット自身と相互作用していると感じており,彼らの感じた楽しさは,ロボットが操作されているのかどうかといった事前知識には影響されていなかった.また,残りの1/3 の被験者はロボットの背後の人と相互作用しているように感じており,彼らの相互作用は事前知識に影響されていた.ロボット自身ではなく,背後の人間と相互作用していると感じていた被験者は,自律型ロボットと相互作用すると教示された場合には,より相互作用が楽しいと感じ,相互作用時間も増えていた.一方で,操作型ロボットと相互作用すると教示された場合は,よりつまらないと感じ,相互作用時間も減少していた.

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