著者
中西 健一 高汐 一紀 徳田 英幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.2260-2268, 2005-09-15

未知のサービスが我々の位置に即したサービスを自律的に提供するユビキタスコンピューティング環境の実現へ向け,近年,多様なロケーションアウェアサービスが実用化,商用化されている.しかし一方で,公開した位置情報を不当に扱われることに対する危機感も増加しており,プライバシに対する関心が高まっている.本研究では,公開した位置情報を悪用された場合に我々が被る損害を抑えることを目的としており,公開する位置情報にユーザの望む匿名性を付加するサービスフレームワークを提案する.本フレームワークは,ユーザの望む程度の匿名性を満たすよう,公開する位置情報の粒度を動的に変更する.設定された匿名性が高いほど,サービスによる位置情報の悪用は困難となるため,ユーザは自身の望む程度でプライバシを保護できる.結果,従来は「位置情報を公開するか否か」の二極でしか選択肢を持たなかったユーザが,「この程度の匿名性で位置情報を公開する」といった中間解を選択できるようになる.

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. @kochizufan 研究室の同期が,「粒度の動的変更による位置匿名性についての考察」という論文を書いています.GeoHexのレベル的なものをどう変更するとどれだけ隠せるかの議論です.再読してちょっと考えてみます. https://t.co/gkHiio1N

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