著者
和泉 潔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.549-556, 2014-05-15

本稿では,いわゆるビッグデータによる社会現象の予測にいくつかの困難な点があることを示し,その一番の原因として,社会経済現象におけるミクロ・マクロ関係のダイナミクスを挙げる.そして,その問題を解決する1つのアプローチとしてのエージェントシミュレーションの可能性を論じる.本稿では,大規模実データからのエージェントモデル構築とシミュレーション結果の評価について,構成論的なアプローチに基づくエージェントベースの社会シミュレーション研究の新たな方法論,可能世界ブラウザを紹介する.さらに,可能世界ブラウザの応用例として,実際の購買データに基づいたシミュレーションによる購買ターゲットの特定と,エージェントシミュレーションを安全な空間設計に用いた研究事の2つを紹介する.

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出だしから「なぜビッグデータを利用した社会予測の精度が上がらないのか」というタイトルで始まり、パンチ力があり、目を惹きつけられる。|ビッグデータとエージェントシミュレーション 和泉潔 https://t.co/TU4lFEq30Y https://t.co/xFBEL2Tm43

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