著者
長谷川 大 白川 真一 佐久田 博司
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.83-92, 2018-02-20

本論文では,Pedagogical Agent(PA)が説明を行う際に用いる導管メタファ・ジェスチャが,学習者における専門用語の記憶定着,抽象概念間の関係性の理解,学習体験,および,PAの知覚に与える影響を評価する.実験は,ジェスチャ要因(スピーチ・ジェスチャ・マッチ条件vs.スピーチ・ジェスチャ・ミスマッチ条件vs.ジェスチャなし条件)を操作する1要因3水準参加者間実験デザインとし,用語記入課題,図形選択課題,およびアンケートによって評価を行った.大学生140名によるオンライン実験の結果,スピーチ・ジェスチャ・マッチ条件で,スピーチ・ジェスチャ・ミスマッチ条件およびジェスチャなし条件と比較して,図形選択課題スコアに向上がみられた.またスピーチ・ジェスチャ・マッチ条件で,ジェスチャなし条件と比較して,参加者がより学習内容の理解に努めていたことが明らかになった.これらのことより,PAの導管メタファ・ジェスチャは学習者にとって内容理解の補助になることが示唆された.

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