- 著者
-
白川 真一
- 出版者
- 横浜国立大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2008
本年度は,当初の研究計画通り,我々が先に提案した進化計算によるフロクラムの自動生成手法の拡張と実問題への応用を行った.まず,先に我々が提案したグラフ構造をプログラムの表現形式とする自動プログラミング手法であるGraph Structured Program Evolution(GRAPE)の拡張を行った.GRAPEを用いて探索空間を探索するエージェントの行動プログラムを自動生成することで,探索アルゴリズムの獲得を行う方法を提案した.提案手法を用いて関数最適化問題のベンチマーク関数とテンプレートマッチング,探索空間が動的に変化する問題に対して探索アルゴリズムの獲得実験を行った.提案手法によって構築された探索アルゴリズムは,従来提案されている探索アルゴリズムと比較して良好な結果を示すものであった.この成果によって,従来は問題に合わせて人が試行錯誤的に開発していた探索アルゴリズムを自動的に生成することができるようになると考えられる.次に,画像変換部を含む画像分類アルゴリズムの自動構築手法であるGenetic Image Network for Image Classification (GIN-IC)の拡張を行った.通常,画像分類は「画像の前処理」,「特徴量抽出」,「分類」の3つのフェーズから構成される.それぞれのフェーズについて様々な研究が行われているが.GIN-ICでは「画像変換部」,「特徴量抽出部」,「演算部」から構成される一連の画像分類アルゴリズムを全自動で構築する点に特徴がある.GIN-ICでは画像変換部をもつことによって,画像を分類し易いかたちに変換することが可能となる.本年度はこのGIN-ICを1つの弱識別器として扱い,アンサンブル学習法を利用してGIN-ICを複数組み合わせることで分類精度の向上を図った.