著者
曽我 麻佐子 鈴木 卓治
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.315-320, 2018-11-24

蒔絵万年筆は,照明などの光や湿度によって劣化するものがあり,恒常的な展示に適さない.また,細かい柄等が肉眼で見えにくいといった問題もある.本研究では,博物館の来館者に蒔絵万年筆をより細かいところまで自由に鑑賞してもらうことを目的として,HMD とペン型デバイスを用いた万年筆の展示支援システムを開発した.本システムでは,HMD 用いてVR 空間に表示した万年筆の3DCG を,ペン型デバイスで操作して鑑賞することができる.直感的に万年筆を操作するために,ペン型デバイスに搭載したジャイロセンサから検出した角速度をもとに,万年筆の3DCG を回転させている.また,HMD を装着した状態で複数の万年筆から一つを選んで簡単に切替えられるようにするため,HMD の画面の中心にカーソルを表示することで,頭の動きのみで鑑賞する万年筆を選択することが可能である.開発したシステムは,国立歴史民俗博物館の企画展において8 週間運用した.来館者の評価により,本システムのコンセプトの有用性を確認した.

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蒔絵万年筆の VR 鑑賞システムの開発と博物館における運用

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