- 著者
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山根 信二
- 雑誌
- 研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
- 巻号頁・発行日
- vol.2021-CE-159, no.30, pp.1-5, 2021-03-06
デジタルゲームは学問の対象となり,世界各地の先進校がゲームの知識体系を研究し学ぶ学位プログラムを推進してきた.この国際動向の中で日本はゲーム産業と高等教育機関との産学連携教育プログラムが立ち遅れてきたが,2020 年にゲーム・CG を学ぶ初の専門職大学がスタートした.本研究では,日本国内では稀少な体系的なゲームの学位プログラムをスタートした東京国際工科専門職大学のデジタルエンタテインメント学科における初年次教育の取り組みから,特に専門用語(ジャーゴン)の問題について報告する.日本のゲーム産業では歴史的経緯から企業ごとに異なる社内開発用語を使ってきた.そこで本研究は,専門職大学での教育実践を通じて,複数のバックグラウンドを持つ企業出身者の観点をもとに企業間の違いを検討し,各企業文化が対応可能な高度なゲーム教育プログラムのための用語集の作成に着手した.さらに,海外で定着した大学教科書を日本語での高等教育現場へ導入したことで,グローバルな開発用語との相互運用性をふまえた用語集の取り組みが必要となった.