著者
清水 順子 小林 浩明
出版者
北九州市立大学国際教育交流センター
雑誌
北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu (ISSN:13481851)
巻号頁・発行日
no.8, pp.53-62, 2010-03

本稿は学部留学生対象の読解授業の在り方を検討したものである。言語教育の分野で新たなパラダイムシフトが起こり、社会の構成員としての学習者の自律性が重要視されるようになっている。また、大学における学びも学習者の自律的かつ主体的な行動なしには成立しない。学習者オートノミーを育てながら読解力を養成するために、日本語の授業で何ができるのだろうか。そこで、個々の学習者が自律的にテキストに取り組むために個別対応型チュートリアルの授業を行い、一人一人の学びに対応することにした。さらに、従来の読解授業では、一斉授業方式で行われ、学習者の読みの結果のみを扱ってきたことが問題であった。そのため、個々の学習者の読みのプロセスを共有し、自己発見を促すためにピア・リーディングの授業を並行して行うこととした。ピア活動における他者は、学習者の「読んだつもり・わかったつもり」にゆさぶりをかける存在であり、対話という他者との相互作用によって新たな発見が起こり、テキストへの更なる理解をめざす。

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