著者
末延 岑生 Mineo SUENOBU
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

人間は本来、親から自然にことばを教わる。母語の学習に失敗した人がほとんどいないのは、ことばは猿人から人類に至る歴史の中で醸造され培われてきたもので、遺伝子の一部として生まれつきその能力がそなわっており、親がそれをうまく引き出しているからだ。だから環境に合わせてデザインすれば、外国語であっても必ずできる。たとえば、奈良時代に中国大陸から入ってきた複雑な漢字文字は、平安時代の人々がうまく日本語に溶け込ませながら、思い切ったシンプルなデザインとして「ひらかな」「カタカナ」を生みだした。この便利さは今も本場の中国人たちをも羨ませる。では日本の英語教育はどうか。歴史ある日本文化と日本語を土台としながら工夫しデザインすれば、誰でもある程度はできるというのに、逆に多くの学習者たちの英語離れを生んできた。その原因は何か。本論文はこのような英語教育の状況を「世界諸英語」という視点から、さらに学生とともに授業現場の中でつぶさに分析した上で、日本人の母語である日本語と英語の接点を探りつつ、日本人にやさしい、世界に開かれた第二の母語としての日本語、すなわちOpen Japanese をデザインしようと試みるものである。

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