著者
杉本 真理子 Mariko SUGIMOTO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

この報告は、2010年10月17日~27日まで、神戸市のギャラリーにて開催された「OTOME展」についてのものである。「おとめ」とは何か、ただ単に「女性」や「少女」をテーマにしただけのイラスト展ではなく、インターネットのない時代から現代まで「カルチャーの原点は雑誌である」という仮説のもと、日本で最初の「少女まんが」は何か、少女まんがに影響された「叙情画」とは何か、昭和初期と現在の少女の文化はどう変化していったかということと、サブカルチャーの今までのあり方、さらにこれからのあり方を想定し、社会的背景や、ジェンダーの問題がどのように少女文化に影響を与えたのか、などの問題をふまえた上で、現在流行している「タレント本」から、細分化された「まんが」「ゲーム」「ライトノベル」などに登場するキャラクターの変化や、また別の切り口として「少女まんがは異端の文化」である事を理論付け、男性から見た現代の「OTOME」の姿と、女性から見た原点の「OTOME」の像を、イラストという形態でアウトプットし、展示した時に生じる何らかの差異が表面化できるかどうか試みたのが、今回の主旨でもある。
著者
杉本 真理子 Mariko SUGIMOTO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

この報告は、2010年10月17日~27日まで、神戸市のギャラリーにて開催された「OTOME展」についてのものである。「おとめ」とは何か、ただ単に「女性」や「少女」をテーマにしただけのイラスト展ではなく、インターネットのない時代から現代まで「カルチャーの原点は雑誌である」という仮説のもと、日本で最初の「少女まんが」は何か、少女まんがに影響された「叙情画」とは何か、昭和初期と現在の少女の文化はどう変化していったかということと、サブカルチャーの今までのあり方、さらにこれからのあり方を想定し、社会的背景や、ジェンダーの問題がどのように少女文化に影響を与えたのか、などの問題をふまえた上で、現在流行している「タレント本」から、細分化された「まんが」「ゲーム」「ライトノベル」などに登場するキャラクターの変化や、また別の切り口として「少女まんがは異端の文化」である事を理論付け、男性から見た現代の「OTOME」の姿と、女性から見た原点の「OTOME」の像を、イラストという形態でアウトプットし、展示した時に生じる何らかの差異が表面化できるかどうか試みたのが、今回の主旨でもある。This report is about "OTOME exhibition" exhibited at an gallery in Kobe from 17th to 27th of October in 2010.What is "OTOME (the meaning is girl in Japanese)" ?It is not only illustrations exhibition that the theme is "woman" or "girl". After supposing that what "the first girls cartoon" in Japan is, what "Jyojyo-ga (lyric picture)" influenced by girls cartoon is, how the girl's culture has changed since early Showa period until today and how subculture has existed until now besides how it will exists hereafter from resting on the supposition that " the source of culture is magazines" from early Showa period until today and referring to that social background and how the matter of gender has affected girl's culture, we developed a theory that change in characters in "famous people's essay" popular nowadays, "comic", "computer game", "light novel" and also the fact "girl's cartoon is heterodox culture" as another light and experimented whether we make any difference from exhibiting the works come to the surface or not by outputting a modern figure of "OTOME" from men's point of view and an original figure of "OTOME" from women's point of view by drawing illustrations. This experiment is our theme.
著者
赤崎 正一 戸田 ツトム 寺門 孝之 橋本 英治 荒木 優子 Shoichi AKAZAKI Tztom TODA Takayuki TERAKADO Eiji HASHIMOTO Yuko ARAKI
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

出版メディアにおけるデザイン動向は、広告など他の分野と比較して、実験的先端的な傾向が強い。組版設計をふくむ広義の「ブックデザイン」のそうした傾向には日本語固有の組版システムの複雑さがもたらす、実験的組版の広汎性も要因のひとつと考えられる。事例として2009 年度のビジュアルデザイン学科における3 回の特別講義を取り上げる。それぞれの講師は、絵本作家・イラストレーターの木内達郎氏、アートディレクター・ブックデザイナーのミルキィ・イソベ氏、グラフィックデザイナーの松田行正氏の3 氏である。ブックデザイン・組版デザインに長年携わってこられた、これらの方々の講義には、さまざまな作品紹介を通じて、多様な「ブックデザイン」の実験的試みが含まれている。 ブックデザインの戦後的動向の先端や特異点を構成する3 氏の特別講義はわれわれの研究に大きな示唆をもたらすものである。それら、事例紹介も多く盛り込まれた特別講義を単行本「デザイン・プレゼンテーションの哲学」として編纂・刊行した。そして、この単行本の制作自体がブックデザインやエディトリアルデザイン(組版デザインを含む)の実験的実践なのである。Design in publication media are inclined to be experimental and edgy compared to that in other fields such as advertising. This characteristic of "book design" in the broad sense of term is attributed in part to the prevalence of experimental typesetting caused by the complex typesetting system intrinsic to the Japanese language.This course explored three special lectures presented by Department of Visual Design in fiscal 2009. The speakers of the lectures were Mr. Tatsuro Kiuchi (an illustrator and picture book author), Ms. Milky Isobe (an art director and book designer) and Mr. Yukimasa Matsuda (a graphic designer). In these lectures, the three professionals, who had long been involved in book design and typesetting design, talked about diverse experiments in "book design" through various projects. Their special lectures, discussing the cutting-edges and uniqueness of the post-war book design trends, offered inspiring insights in our study.We compiled and published a book based on the three lectures introducing many cases of experimental book design titled Philosophy of Design Presentation.The production of this book was an experimental practice of book design and editorial design (including typesetting design).
著者
末延 岑生 Mineo SUENOBU
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

人間は本来、親から自然にことばを教わる。母語の学習に失敗した人がほとんどいないのは、ことばは猿人から人類に至る歴史の中で醸造され培われてきたもので、遺伝子の一部として生まれつきその能力がそなわっており、親がそれをうまく引き出しているからだ。だから環境に合わせてデザインすれば、外国語であっても必ずできる。たとえば、奈良時代に中国大陸から入ってきた複雑な漢字文字は、平安時代の人々がうまく日本語に溶け込ませながら、思い切ったシンプルなデザインとして「ひらかな」「カタカナ」を生みだした。この便利さは今も本場の中国人たちをも羨ませる。では日本の英語教育はどうか。歴史ある日本文化と日本語を土台としながら工夫しデザインすれば、誰でもある程度はできるというのに、逆に多くの学習者たちの英語離れを生んできた。その原因は何か。本論文はこのような英語教育の状況を「世界諸英語」という視点から、さらに学生とともに授業現場の中でつぶさに分析した上で、日本人の母語である日本語と英語の接点を探りつつ、日本人にやさしい、世界に開かれた第二の母語としての日本語、すなわちOpen Japanese をデザインしようと試みるものである。
著者
藤山 哲朗 Tetsuro FUJIYAMA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

近年、建築とファッションの相関性について取り上げられることが多くなった。建築もファッションも、どちらもまず身体を覆うシェルターであり、同じ時代精神や文化的価値観によって立つ社会的規範である。さらに実際に建築家とファッションデザイナーのコラボレーションが増えたという背景がある。しかし最も重要なのは、作品の本質であるコンセプトとデザインプロセス自体が接近してきているということである。 本論文では、こうした形態システムのレベルでの両者の関係を考察するために2007年に開催された「スキン+ボーン」展を取上げる。これは実際の作品を提示した研究としては、近年最も本格的な試みであった。 展覧会の構成において、キュレーターのブルック・ホッジは脱構築という概念を中心においている。しかし会場でのプレゼンテーションだけでは具体的なプロセスを理解するには不足していたように感じる。そこで改めてホッジの意図を読解し、展覧会に含まれない作品を分析したうえで、「変形」という生成方法を提示するものである。