著者
山田 美香
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.113-125, 2009-12-23

本稿は、日本占領時期に、主に慈善団体による学費支援の視点から、香港の教育がどのような状況であったのかを論じるものである。香港の日本占領時期の教育政策の多くは、戦乱で閉校していた既存の私立学校の再開を許可し、日本語教育を推進するというもので、一般の中国人子弟のための学校は国民教育の一環ではあったが、日本語教育の延長として捉えられていた。曹必宏も指摘しているように、現地のものが入学できる日本側の設立した教育機関は、警察官練習所である憲査教習所、官立東亜学院など「職業訓練学校」であった。香港占領地総督部は、教育管理には成功したが、学費免除生の財源を中国人に任せ、戦局が悪化する中、徐々に教育事業を停滞させた。

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