- 著者
-
石川 清子
イシカワ キヨコ
Kiyoko ISHIKAWA
- 雑誌
- 静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
- 巻号頁・発行日
- vol.15, pp.9-22, 2015-03-31
ゾラの『居酒屋』の舞台になったパリ、18区のバルベス、グット・ドール地区は20 世紀後半からアルジェリア、モロッコ、チュニジアの北アフリカ(マグレブ)移民労働者が多く住み、現在はアラブ・アフリカ人街としてパリのなかでも複数のエスニシティ、言語、文化が混在する独特の雰囲気をもつ地区になっている。「パリのなかのメディナ」「アラブ人のゲットー」とも呼ばれるこの地区はフランス人及び北アフリカ出自の作家、アーチストに作品の題材を提供してきた。本稿では、バルベス、グット・ドールにおけるマグレブ移民労働者のプレゼンスを社会的、歴史的に概観しながら、文学を中心に音楽や映画におけるその表象を考察し、マグレブのみならずフランスにとっての「記憶の場」のあり方を検証する。