- 著者
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横山 登志子
- 雑誌
- 北海道医療大学看護福祉学部紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.11, pp.19-25, 2004
本稿の目的は、ソーシャルワーク(以下、SW)におけるナラティヴ・アプローチの貢献と、問題や課題についての議論を整理し、筆者の意見を提示することである。SWにおけるナラティヴ・アプローチの貢献は次の4点である。(1)SWの知識の権威性について「問い」を投げかけた点、(2)クライエントの生きたローカルな知識が注目された点、(3)価値実践としてのSWを考えるきっかけになった点、(4)ソーシャルワーカーは何をどのような立場から援助を行うのかについての自己言及性が求められた点である。問題・課題は次の3点である。(1)理論と介入の一貫的な説明、(2)物語の二分法に関してのリアリティーある説明、(3)SWに関する反省的実践(研究)の必要性である。特に3点目の課題について、SW理論史でソーシャルワーカーがどのように規定されてきたのかに関する批判的検討の必要性と、実践経験においてソーシャルワーカーがどのような自己規定の変容を経験しているのかについて明らかにすることが重要であることを述べた。